作品

アルストロメリア赤穂渚編ー10

雨が地面を叩く音は、降り始めた時より強くなっている。そこそこ時間も遅いので、当然だが外も薄暗い。今は本格的に夏に入る前の時期で、段々と日は長くなってきているものの、太陽が雲で覆われてしまえば当然だった。玲香は窓の外に向けていた頭を渚の方へ戻…

アルストロメリア赤穂渚編ー9

茜に事情を話してから数日経った。夏休みを目前に控えているというのに、未だに潮音と話すことは出来ていない。一ヶ月程度ある夏休みに入る前に、渚の状況を把握して、何かしらの対策を打ちたいところではあるのだが、どうにかできないだろうか。玲香は自身を…

アルストロメリア赤穂渚編ー8

「そ、そういえば、赤穂くんの弟さんは玲香に何を頼んだの? 玲香の話を聞いて、赤穂くんに良くないことが起こってるっていうのは、何となくわかってるけど」玲香は逡巡した。『弟に頼まれた』とは言ったものの、実のところ頼まれたわけではなく、潮音の様子…

小説「アルストロメリアー赤穂渚編」+1

「007.供給過多です」茜さんが出るとやはりギャグに寄りますね。こういうシーンも必要だよね!!こういうシーンはすらすら書ける。まさかギャグに適性が……!?笑

アルストロメリア赤穂渚編ー7

翌日の放課後。玲香と茜は高校から5分程度離れた場所にあるファミレスへと立ち寄った。四人掛けの席に案内され、店員から渡されたメニューを眺めながら茜が口を開く。「今日、昨日より元気そうだったね」誰が、とは言わないが、それが渚のことであるのは明白…

アルストロメリア赤穂渚編ー6

鞄の中からスマホを取り出し画面を確認すると、『紫藤茜』の文字が表示されている。渚を保健室に連れ出した件だろうか。画面をスライドさせてスマホを耳元に近づけた。「もしもし」「あ、玲香。今大丈夫?」「うん」電話越しの茜の声は普段よりも些か高く聞こ…

小説『アルストロメリアー赤穂渚編』+1

赤穂渚編「005.既に手遅れ」大体2000字ずつくらいで区切れるといいのかなあと思いつつ更新しております。現在下書きは3万字程度。追いつかれないようにしたい!笑

アルストロメリア赤穂渚編ー5

「また何か変なことに首を突っ込んでんじゃないだろうね」玄関の戸を開けた玲香に、おかえりの一言もなく開口一番に氷織は言った。玲香は一瞬固まり、それからふっと息を吐き出して首を横に振った。「違うよ。春頃に事故に遭って休んでたクラスメイトが、今日…