こんにちは。
【小説×歌×朗読】中心に活動している「SSQuest」の首領・雪花です。

以前、「幻月(げんげつ)」という言葉の意味を書いた記事を公開しました。
→こちら
「幻月」は「月が二つ以上に見える現象」です。
同じ現象でも、「幻日(太陽が二つ以上に見える)」と比べると、なかなか観測できない現象のようです。
本日は、「幻月」に関する作品をひとつ、ご紹介します。
もくじ
月のもうひとつの心「幻月恋歌」
私が組んでいるコラボユニット「Solumonia(ソルモニア)」のオリジナル曲に「幻月恋歌(げんげつれんか)」があります。
「幻月恋歌」は「月恋歌(げつれんか)」という曲の一部歌詞違いです。
後半Cメロから歌詞を変えたものになります。
「幻月恋歌」というタイトルは、歌詞を完成させてからつけたのですが、発想の仕方は
○作品の方向性が「もうひとつの心」
→「月恋歌」で見せた心と隠れた心
→せめぎ合う二つの心 → タイトルもそういう言葉にしたい
→「月」に関する言葉を検索
といった感じでした。
せっかくなので、「月恋歌」と「幻月恋歌」2曲のCメロから歌詞を比べてみましょう。
「月恋歌」のフル歌詞はこちらにあります。
●「月恋歌」Cメロ~ 歌詞
わかってる 僕はこの光で
君を照らせはしないけれど
ずっと見守っているよ 歌ってるんだよ
未来を願っているよ
歌うよ アリア 君に届いてる?
悲しみも切なさも光に変えて
夜明けを さあ 太陽の歌が
風に乗って今祈りを告げるよ
月の音 今 君に届いてる?
愛しさも切なさも光に変えて
行こうよ さあ 僕は待っているよ
その瞳に青い空が映るまで
君を想い続ける
●「幻月恋歌」Cメロ~ 歌詞
わかってる 僕は君と光の中
歩けはしないけれど
せめて見守っているよ 悲しいけど
君の手 離していくよ
歌うよ アリア 君に届いてる?
悲しみも切なさも光に変えて
夜明けが ほら 涙を照らして
消えていくよ 僕の想いが空へと
月の音 今 君に届いてる?
愛しさも切なさも光に変えて
君の音 今 空に響いてく
その瞳に蒼い海が煌めいて
君を想い続ける
・・・・・・いかがでしょうか?
「幻月恋歌」の方は、切なさが増している感じがありますね。
では、ここからは曲の解釈になりますので
「自分で解釈したい!」
という方は、以降の記事は絶対に読んではいけません。
(とはいえ書くのはCメロからのみなのですが)
私としても、曲の解釈は皆さんの自由にしてほしいと思っています。
もし、これから書く解釈があなたの解釈と異なっていても、あなたの解釈を大切にしてください。
いずれあなたの解釈を聞く機会があれば、とても嬉しいです。
・・・・・・ひねくれ者の私が書いた物語としては、「月恋歌」も「幻月恋歌」もストレートかなと思います。
それでは、参りましょうか。
二人の心が交わる時(解釈)

さて、まず原曲の「月恋歌」です。
色枠で囲っている部分が歌詞になります。
「月」の気持ちで書いているので、ほぼ台詞です。
私の言葉と「月」の台詞を区別するために、「月」の台詞は「」にしています。
●「月恋歌」 Cメロ~
わかってる 僕はこの光で
君を照らせはしないけれど
ずっと見守っているよ 歌ってるんだよ
未来を願っているよ
「君は太陽に照らされるべき存在だから、僕はここで『さようなら』。
君がもう夜に囚われないように。少しでも背中を押せるように。
君が太陽のもとで笑っている未来を、願っているよ。」
歌うよ アリア 君に届いてる?
悲しみも切なさも光に変えて
夜明けを さあ 太陽の歌が
風に乗って 今祈りを告げるよ
「【君】との別れを悲しんでいる僕の心も、光に変えて【君】に届けよう。
『さようなら。どうか、もう夜に迷い込まないように』(=祈り)」
「月」は「もう二度と【君】が夜に囚われないように」さよならを告げます。
「月」と会う=【君】が夜・・・・・・つまり心の闇に苦しんでいる時です。
「月」は【君】にもう苦しんでほしくないので、
どうかそうならないようにと永遠の別れを祈ります。
月の音 今 君に届いてる?
愛しさも切なさも光に変えて
行こうよ さあ 僕は待っているよ
その瞳に青い空が映るまで
君を想い続ける
「【君】を愛する心を光に変えて君に届けよう。
僕は【君】が太陽のもとで笑える日を待っているよ」
「その瞳に青い空が映るまで」というのは、
【君】はこれまで暗く俯いてばかりだったので【君】の心が軽くなって、上を向いて昼間の青い空を見られるようになることを願っています。
この時点で【君】の心がどんな状態なのかは、それぞれのご想像にお任せします。
・・・・・・ここまでが原曲「月恋歌」のCメロ~です。
お次は「幻月恋歌」。
長いですが、もう少しお付き合い頂けたら嬉しいです。
●「幻月恋歌」Cメロ~
わかってる 僕は君と光の中
歩けはしないけれど
せめて見守っているよ 悲しいけど
君の手 離していくよ
「僕は月だから、【君】と太陽のもとで一緒に生きてはいけない。
だから、せめて、【君】を見守っているよ。
本当はとても悲しい。【君】と一緒に生きたい。
だけど、【君】のために、【君】の手を離すね」
「月恋歌」では、とても優しい気持ちで【君】を見送っていますが、「幻月恋歌」は、この時点ではだいぶ未練が残っています。
本当は【君】の生きる世界を夜にしてしまいたい感じ。
歌うよ アリア 君に届いてる?
悲しみも切なさも光に変えて
夜明けが ほら 涙を照らして
消えていくよ 僕の想いが空へと
「夜明けがこの僕の悲しみも光に変える。
太陽の光が、僕の涙を照らす。お別れの時間だ。
光とともに、僕の想いが消えていくよ。もう届かない」
夜明けとともに、「月」は消えます。
次に会えるとしたら、【君】がまた夜に囚われた時でしょう。
でも、そんな時が来ないことを、「月」はもうわかっている。
月の音 今 君に届いてる?
愛しさも切なさも光に変えて
君の音 今 空に響いてく
その瞳に蒼い海が煌めいて
君を想い続ける
「【君】を愛する心は、【君】に届いていますか?
【君】の生命の音が響く。もう大丈夫だね。
ほら、【君】は太陽の世界に心を動かしている」
「その瞳に蒼い海が煌めいて」の「蒼い海」とは、夜明けの緑色っぽい海です。
夜明けの海は、青というより緑に近いかなと思ったので「蒼」にしました。
また、【君】はこの時、夜明けに感動して(もしくはほかの何かに心を動かされて)涙を流しています。
「蒼い海」とは、そのときの【君】の瞳に溜まる涙も意味します。
その様子を見て、「月」は「もう【君】は大丈夫だね」と思うわけです。
おわりに

・・・・・・いかがでしたか?
歌詞はメロディに合わせるわけなので、あまり多くは語ることができません。
でも、その分
「与えられた情報から想像を膨らませて自分なりの解釈をする」
ということがとても楽しいと思います。
そういった楽しみを皆さんに与えられるように、作詞の力をUPさせたいと思います。
多分、まだ解釈できる幅が狭いと思うので・・・・・・。
もっと「想像する楽しみ」ができるように、精進します。
・・・・・・実は、「幻月恋歌」のCメロ~は、
(普通に考えたらそんな考えには行かないけど)
私はそう思いながら歌っている・・・・・・という我ながらこじつけ感が半端ない解釈があります。
そちらについては、いずれどこかでお話できたらいいなと思います。
多分みんな呆れます。雪花節フルスロットル。
イレギュラーな考え方だと思うので、「いやいやいやいや!!」と思う方と「そ、それもアリか・・・・・・?」と悩む方がでそうです。
では、最後までお読み下さりありがとうございました。